琴平バス株式会社

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JAL機内誌SKYWARD6月号にて、弊社代表の楠木泰二朗が紹介されました。

2025-06-01

MEDIA

リピーターを増やし、観光地から滞在地を目指す

「一生に一度はこんぴら参り」と、江戸時代にお伊勢参りと並び人気を誇った金刀比羅宮(香川県)。今も国内外からの観光客がご利益を求め、1368段の石段を上った先にある奥社を目指す。そのお膝元の琴平町か今、参拝や観光とはちょっと違う目的で訪れる人たちで賑わっている。
 
参道入り口近くにある「Kotori Coworking & Hostel琴平」。旅をしながらリモートワークする「デジタルノマド」をターゲットに、中長期に滞在できる施設だ。ここを拠点に、主に海外からのビジターが働きながら琴平や香川の文化や暮らしを堪能しているという。

仕掛け人が楠木泰二朗さん。地元の観光バス会社、琴平バスの社長を務めている。祖父が会社を立ち上げ、父は旅行業に着手したが、「継げとは言われず、継ぐ気もなかった」。大学時代、学園祭実行委員として企画したり人を呼んだりすることの楽しさを知り、ブライダル会社の内定を手にした。しかし、「いずれは起業したい」と父に伝えると、「遠回りせずうちで経営を学べばいい」と促された。

父はアイデアマンで、讃岐うどんを知り尽くしたドライバーが名店や穴場の店を案内する「うどんタクシー」や、四国八十八箇所を巡る「お遍路バスツアー」など、教々のヒット商品を生み出してきた。楠木さんもバスツアーの企画はもちろん、高速バスのネットワーク化やご当地タクシー協会の設立など新たな事業に挑み、全国を飛び回った。

転機は、コロナ禍という試練とともに訪れた。「いつも参拝客で賑わっていたこんぴらさんから人が消えた。初めて見る光景でした」。事業は大打撃を受けた。楠木さんはしかし、「こんな状況だからこそじっとしていられない」と動いた。緊急事態宣言が出た翌月の2020年5月には、どこよりも早くオンラインバスツアーを開始。参加者全員か一緒にバスに乗っている感覚でバーチャル旅をしながら、お土産店の商品は通販で買えるなど、参加型の楽しさがバズつた。「リアルのツアーはリピーターか多かったのですが、オンラインをきっかけに新たな層を開拓できました」

さらに翌年、琴平の観光に関する勉強会を開催、町の内外の人たちと交流の機会を得た。「お互いに顔見知りだけど何を考えているのかまでは知らない。そんな町の人たちとじっくり話ができたのは大きかった」。楠木さんは続ける。
 
「観光客が実はジワジワと減ってきていることに気付いてはいたけれど、それぞれの仕事や商売は忙しく、連携しなくてもなんとかなっていた。コロナ禍で売り上げゼロを目の当たりにして初めて、『みんなでこの町を変えていこう』一という思いを共有できたのです」。
 
移住者などバックグラウンドが異なる人たちも続々参加世代交代も進んだ。町に新しい風が吹き始めた。
 
課題のひとつが「日帰り観光客が多い」こと。「ゆっくりと滞在して町の人たちと交流し、琴平のファンになってもらう。丁寧にリピーターを増やしていき。『観光地から滞在地へ』を目指していきたい」。前出の「Kotori」だけでなく、町の中で持て余していた古いビルをリノベーションし、アトリエやギャラリーを備え、アーティストが創作活動に取り組める宿泊施設なども生まれている。

「一生に一度じゃなく、何度も訪れたくなる。そんな魅力ある町に」。楠木さんは、その階段を一段、また一段と踏みしめていく。

文/中津海麻子 撮影ミヤジシンゴ

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