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朝日新聞でうどんタクシーが紹介されました。(朝日新聞)

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- 2019年7月13日 朝日新聞より -

天声人語

金比羅参りで知られる香川県琴平町を訪ね、「うどんタクシー」なる乗り物に出会った。運行するのは地元の琴平バスで、客の要望を聞いて店舗を巡る。年300件ほど利用されている

▼街で目に飛び込むのはコンビニより、うどん店が多い。客の回転は早い。「県民のお昼は基本、うどんですね」と、女性ドライバーの多田純さん(38)。社内の筆記、実地試験を通り、麺の手打ち技術も会得した社員だけが乗務する

▼案内された店で驚いた。お椀を手にとり、自分で麺を湯がき、だしを自ら注ぐ。160円のうどんに舌鼓を打つと、レジで食べたものを自己申告して支払う。「外国人客はもちろん、日本人もとまどいます」

▼地元の製粉業者が昨年刊行した『さぬきうどんの真相を求めて』を読むと、江戸前期の金刀比羅宮の祭礼図には、うどん商人が描かれる。伊勢と並ぶ憧れの参詣地。押し寄せる人々の食事の場として路面店が生まれたという

▼四国屈指の観光地ながら、昭和の末に比べると観光客は半減した。一方、来県者の実に8割がうどんを食し、平均で1・77店を訪れたとの調査結果もある。限られた交通網の中、目いっぱい満喫してもらおうと、16年前にうどんタクシーは生まれた

▼名産品や観光地を巡る「ご当地タクシー」は全国に広がりつつある。昨年には各地の13社でつくる組織もでき、交流から営業の知恵を生み出そうとしている。函館の塩ラーメン、長崎のカステラ・・・地方の観光地の明日を見た気がした。

- 2019年7月13日 朝日新聞より -

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