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割安の東京行き高速ツアーバスが高い人気 (かがわ経済レポート:2006/05号)

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かがわ経済レポート:2006/05号

東京行き高速バス事業者の戦いが過熱気味だ。

新日本ツーリスト㈱(高松市朝日町五-四-八 楠木哲雄社長)は、昨年8月より東京行き高速ツアーバスを企画・運行しているが、乗車率が平均90%を超えるという好調な推移を見せており、新たな都市間移動手段として注目を浴びている。

同社では運行にあたりグループの琴平バス㈱(仲多度郡琴平町横井五六〇-一 社長同)と提携。東京行きの夜行高速バスは、JR四国バスや四国高速バスなどの路線バス事業者が早くから運行して先鞭を付けていたが、同社では高速ツアーバスという新しい形態で運行。旅行会社が独自に企画・販売できる高速ツアーバスは、バス会社から車両を借り切り、料金を自由に設定できるほか、定時運行の義務がないという特徴を持っており、この路線の競争に一石を投じるべく、激しい戦いが繰り広げられてけるのが現状だ。

香川~東京間は鉄道や航空なども含めて競合も多いが、同社では料金を一般的な高速バスより20%程度安く抑えていることや、琴平バスオリジナルの、脚がゆったりと伸ばせる〝スーパーシート″という付加価値も手伝って、3月の輸送実績は千八百八十人を記録。平均乗車率は90%を超えるという好調ぶりだ。

「これまでは比較的ビジネスニースが多かったが、2月から東京ディズニーランドとのセット券を発売したこ与によ勺、ご家族で利用される方も増えてきた。ツアーバスならでの柔軟性を生かしながら、今後も話題の観光スポットとセットした商品を開発して、差別化に繋げたい。(楠木社長)

生き残りを賭けた戦い

これまでの主力であった観光バス事業は、業界全体において毎年5~10%利用が減少しており、同グループでは生き残りを賭けて、四国では唯一高速ツアーバス事業を展開。四国内にもかつて高速ツアーバスに参入した企業があるが、集客の難しさからいずれも撤退。「高速ツアーバスを成功させるには、販売網と企画力がなければ難しい。当グループでも四国四県の各旅行代理店の販売ネットワークをより生かして、販売力と企画力を強化していかなければ存続は難しい」と警戒感を強める。

一方で利用客の利便性向上に向けては、4月からは発着地点を琴平駅としたほか、高松市内でパークアンドライドができる物件も選定中だ。さらにまだ計画段階ではあるが、「徳島駅等を経由しない東京直行便も視野に入れており、マーケットの動向を見ながら商品化していきたい」と意欲的なスタンスを崩さない。

楠木社長は、「他社との競争も厳しく、今後もシェアの食い合いが予想される。その中で勝ち残るためには旅行業としてのノウハウを生かし、商品の企画力を発揮して新しいマーケットを溝創造することで、パイを拡大していくしかない。今後は利用状況を見ながら、東京便の増便や、新たな路線の開発についても検討していきたい。また地元の観光資源を商品北して、東京から誘客する努力も必要になってくるだろう」と話している。

東京便は片道七千百円~、往復二万三千九百円~。東京ディズニーランドワンデーパスポート付プランは一万七千九百円(往復)~。

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