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琴平バス・新日本ツーリストが、かがわ経済レポートが紹介されました。(かがわ経済レポート)

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- 2017年11月15日 かがわ経済レポートより -

全国の貸切観光バス事業者と提携
広域に周遊できる観光乗合ツアー、全国初

琴平バスが今年4月、全国の貸切観光バス事業者9社と提携し、「ジャパン・コーストライン・アライアンス」を立ち上げた。これにより九州、四国、関西などに本社を構える各社のバスを乗り継ぎ、国内を広域に周遊することができるようになった。全国では初めての取組みとして注目を集めており、各地域に新たな観光客を呼び込む起爆材としても大きな期待がかかる。

そこに力を貸すのが琴平バスクループの旅行会社・新日本ツーリストだ。この提携により考案された旅行商品(瀬戸内を巡る観光乗合ツアー)を10月から販売開始。来年1月から催行する。このほか、琴平バスが展開している「うどんタクシー」など、ご当地タクシーも好調。グループ内でバスとタクシー(ハード)を持つ強みを活かし、時代のニーズに合わせた旅行プランを企画提案する。

「弊社が総合旅行業を目指すことはありません。あくまで専門特化にこだわりたい考えです」と意気込む楠木社長に、アライアンスの詳細から旅行業の将来の見通し、会社の方向性などを聞いた。

▼インバウンド(訪日外国人)が増える昨今、貴社はどうみているか

まず弊社は琴平バスと連携し、2011年から香川発の日帰りバスツアー「コトバスツアー」を展開しています。貸切バス事業においては、私もここ3~4年ほど前から特に外国人のお客様が増えているなと実感しているところです。

インバウンド分野においての現在の収益の柱は貸切バス事業ですが、今後FIT化(個人手配の海外旅行)はさらに進むと予測しています。これから弊社としても、バス一台単位のビジネス以外にどのようなご提案ができるのか、これが一番のテーマになってくるかと思います。

▼全国の貸切観光バス事業者9社と提携

実は今年4月、南薩観光(鹿児島県)、宮崎交通(宮崎県)、琴平バス、神姫バスグループ(兵庫県)、丸一観光(石川県)、HKB(北海道)など、全国各地の貸切観光バス事業者9社が提携し、「ジャパン・コーストラインーアライアンス」を立ち上げました。

このアライアンスによって提携した各社のバスを乗り継ぎ、国内を広域に周遊することができるようになりました。途中下車も可能です。主に外国人観光客のサービス向上が狙いとなります。

その第一弾として、南薩観光と宮崎交通が手を組み、9月1日から九州全域をまわる旅行商品「九州周遊コース」の販売を開始しました。

その他、営業エリアが規定されているバス事業者が連携することにより、例えば海外の旅行会社への共同セールスやプロモーション等を一緒に行うなど、メリットを追及したいと考えています。

▼瀬戸内を巡る観光乗合ツアー、10月から販売中。来年1月から催行開始へ

この提携のポイントとして、例えば九州を観光した後、途中下車してフェリーで四国に渡り、琴平バスに乗り換えて四国各地をまわる、といったプランをご提供できます。地元の英語対応可能な添乗員が同乗しますので、より快適な旅を満喫できると思います。

その第2弾となる商品が、中四国を巡る「SETOUCHI GOLDEN ROOT BUSTOUR(瀬戸内周遊コース)」です。10月1日から販売売を開始し、来年1月から実際に運行を始めます。

コースとしては、商品名のごとく瀬戸内圏内を一周します。香川県(高松市)を出発地点に愛媛県(八幡浜港、松山市)、広島県(尾道市、広島市、宮島)、岡山県(倉敷市)、小豆島、徳島県(祖谷)、香川県(琴平町)の順に観光地をまわります。九州からフェリーで四国に渡って来られたお客様は、八幡浜港で合流することになりますね。

瀬戸内周遊コースの旅行代金は、4泊5日の2人1室で148000円~、となります。広島県から香川県までの半周コースのプランも用意しています。こちらは2泊3日の2人1室で88000円~、となります。
この商品はバス一台単位ではなく、席単位で販売しています。1人からでも参加可能です。

今回の提携で実現した、複数の観光バスを乗り継いで周遊するというツアーは、海外では「シートインコーチ」として一般化しています。国内では例がなかったので、これからの期待が大きいですね。参加企業もさらに増えていく予定です。

▼外国語に対応できるスタッフは

海外からのお客様は、一番は台湾、次いで中国です。中国語に関しては、中国人スタッフが一人います。来春入社予定のスタッフも中国語が話せる日本人です。

また英語を話せるスタッフも二人います。瀬戸内周遊コースのバスに乗車する添乗員は今のところ、この二人にお任せする予定です。これからグローバルな人材は積極的に採用したいと考えています。

▼国内の旅行先はある程度定番化。貴社としての特徴は

以前、旅行といえば観光地巡りが一般的でしたが、今はインターネットが普及し、雰囲気も大きく変わりつつあります。

例えば、訪れてみたい観光地を見付けたとき、まずインターネットで検索し、現地の写真や歴史などをよく確認したり調べたりしますよね?

インターネットが普及する前は、「深いことまでは分からないけど、行ってみたい」という気持ちで現地に足を踏み入れると、驚くような感動があったのです。今の時代は調べる手段がいくらでもある分、どうしても感動が半減してしまいます。

これを背景に、弊社では観光地以外のツアー化を目指そうと力を入れています。「誰も体験したことがないような経験を、自分は体験したことがある」という優越感とでも言うのでしょうか。これが需要を喚起する一つのテーマになりそうです。

▼個人では行けない高級ホテルや旅館、料理店などをセレクションし、思い切って安価に設定することはどうか

確かに業界全体の方向性の一つだと思います。いくらインターネットで調べてもホテルは実際に泊まってみて、料理は実際に食べてみて、はじめて感動することが多いです。もし実現することができれば、ファンは確実に増えるでしょう。

ただ一方でお客様は価格云々よりも、品質の高い旅行を求めているようにも感じます。弊社としては少人数でしか楽しむことができない希少な体験や、心の琴線に触れるような感動のあるツアーをご提供できればという想いです。

▼二次交通に便利。ご当地タクシーが好調

タクシーを利用した観光という発想から、琴平バスでは現在、「うどんタクシ」「へんろ笠タクシー」「酒タクシー」の3つを運行させています。

いずれも名前のとおり、国内外から香川県に来県されたお客様を乗せて美味しいうどん屋、八十八箇所霊場、酒蔵(金陵、綾菊、勇心)にお連れするというサービスです。

しかも各々に詳しい専任ドライバーによるガイド付で、車体の天井には外から見て一目で分かるよう、それぞれのシンボルとなる行灯(あんどん)が乗っています。お客様からは乗って楽しい、見て面白いという大変ありがたい評価をいただいております。

今、全国でもご当地タクシーは増えています。例えば、石川県には「寿司タクシー」、新潟県には「背脂ラーメンタクシー」があります。

特に地方は二次交通が不便です。全国でご当地タクシーが普及していくことで、「こんな新しい旅行の仕方もある」ということを、もっと広めていきたいですね。

▼社員旅行が減少傾向にあることについては

実は私も今の会社に入社して約17年の月日が経過しましたが、社員旅行に行ったことかありません。今年、若手社員からの提案で、この年末にはじめて社員旅行に行くことを計画しています。

確かに「毎日顔合わせる社員とわざわざ…」や、「上司に気を使う旅行は楽しめない」等々、今の時代は社員旅行に対するネガティブな意見も多いかと思います。ただ、今の時代だからこそ、腹を割ってコミュニケーションがとれる場が必要な気もします。社員の本音を知れることは、後々の経営の発展に欠かせないと思いますね。

▼新型バスの導入は
琴平バスでは、ほぼ毎年新型車両を導入しています。昨年は大型観光バスを4台、高速バスを新車で2台、中古で2台と、例年より多めの合計8台を入れました。今年は10月にマイクロバス2台を導入したばかりです。

やっぱり旅行は年々、小グループ化しておりますのでマイクロバスの導入により、お客様からの幅広いニーズに応えたいですね。

▼大型外航クルーズ船「飛鳥=」の販売状況は

豪華客船クルーズとして知られる人気の「飛鳥II」を、弊社が旅行商品として(共同)販売するのは今年がはじめてとなります。

率直に申し上げると、弊社がご提案している通常のツアーに比べて価格は圧倒的に高く、はじめは不安もありました。ただ、蓋を開けてみると飛ぶように売れたのです。

飛鳥IIは豪華客船です。一度乗ると、先程お話しさせていただいた「他人はほとんど体験したことがない。でも自分は経験している」という優越感を抱くことができるかと思います。いずれにしても今後が楽しみな結果となりました。

▼旅行業の将来と貴社の方向性は

当たり前かもしれませんが、私か入社した17年前と今を比較すれば、旅行会社の立ち位置も大きく変化しています。

一番は、インターネットの発達によるOTA(オンライントラベルエージェント)の台頭です。インターネットを使えば、旅行商品でも何でもモノが買えて支払いもできるという時代です。

私が入社した当時もインターネットはありましたが、まだどこかネット予約することへの怖さや不安がありました。今は圧倒的にインターネットが主流ですよね。

各旅行会吐によって方向性は異なると思いますが、弊社は一貫して「旅のメーカー」でなければいけないと心得ています。

単に旅行商品を販売するだけではなく、お客様に寄り添ったプランを企画し、心から楽しんでいただく。これが弊社のあるべき姿だと考えています。

サービスコンセプトは、「Smile&Hospitality」(笑顔とおもてなし)です。これから先も変えることなく、一番犬切にしていきたいと思います。

▼今後の抱負を

旅行社として一から十、全てをやってのけてしまう「総合旅行業」を目指すことはありません。あくまで専門特化にこだわりたい考えです。

弊社の魅力と言えば、自社でハードを持つ強みを活かせる(①バスータクシー、他にはない特徴のある観光資源に恵まれた、そして我々を育んでくれた地元(②四国・瀬戸内)、WEB・SNSを通じた情報発信や安全面、業務効率化の観点で人による仕事を補完する最新技術(③テクノロジー。これらを積極活用していく所存です。 これから日本が直面する人口減少社会の中でのビジネスにおいて、イ
ンバウンドを含めた海外とローカルが直接結びつく事業(④グローバリゼーション)が重要だと考えています。チャンスを作り出せるかどうかは弊社の努力次第です。この4つのテーマを軸に、これからも社員とともに全力を尽くします。   (了)

楠木泰二朗社長
1977年、坂出市生まれ。四国学院大学を卒業後、琴平バスクループの新日本ツーリストに入社。2006年、父から経営を引継ぎ29歳で代表収締役就任。琴平バスの社長も兼務。

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