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週刊トラベルジャーナル「成功する観光タクシー」でうどんタクシーが紹介されました。(週刊トラベルジャーナル)

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旅行者の支持を集めるうどんタクシー

移動手段を超えたエンターテイメントに

全国区の人気を誇る讃岐うどんの香川県では「うどんタクシー」が若い女性を中心に支持を集めている。筆記試験と実地試験に加え、うどん手打ち試験もパスしたドライバーが語るうんちくも魅力のひとつ。地域ブランドのアピールに大きな役割を果たしているサービスの秘密を探った。

昨年10月から行政のイニシアチブにより「うどん県。それだけじゃない香川県」をテーマに新たなイメージキャンペーンが展開されている同県では、10年ほど前からさぬきうどんに特化した観光タクシーがスタートし、根強い人気を維持している。“四国こんぴらさん”のお膝元・香川県琴平町を拠点に観光バスやタクシーなどの事業を展開している琴平バス(コトバス)が「うどんタクシー」の運行を始めたのは、03年8月のことだ。もともと、公共交通機関の少ない香川県では、県外からの観光客がうどん店巡りでタクシーを利用するケースが少なくなかったという。そうした状況も踏まえ、うどん店まで移動する車内も含めて徹底的にうどんにこだわったサービスを、観光タクシーという形で具体化できるのはないかという発想が「うどんタクシー」の原点だ。

琴平バスの楠木哲雄代表取締役は、当時の状況を次のように振り返る。「1万2000人だった琴平町の人口が1万人を切り、香川県を訪問する観光客も年間400万人から300万人に減少するなど、タクシー業界にとっても厳しい時代に入っていた。需要の減少が続く中で、同じことをやっていても将来はないと考え、小さなパイを奪い合うのではなく、新しい市場を開発できるようなサービスを考えた結果、うどんタクシーのアイディアにたどり着いた」

コトバスタクシー自体も以前から観光タクシーは運行してきたが、楠木代表が目指したのは、従来の観光タクシーの枠を超えるエンターテイメント性の高いうどんタクシーだった。「今までの観光タクシーは、基本的には移動手段の延長線上でしかなった。乗ること自体も目的になるようなサービスを実現しなければ、新たな需要を作りだすことはできないし、料金も認可制のため中身でどれだけ工夫できるかが勝負になる。観光そのものが非日常を求める行為なのだから、そういう旅行者の思いに応えるような新しい観光タクシーを目指している」(楠木代表)

試験をクリア―してドライバーに

コトバスタクシーが運行する「うどんタクシー」は、中型車で60分4500円という料金設定になっており、こだわりコースとスペシャルコース(いずれも2店舗)、お好みコース(指定6店舗の中から2店舗)などが用意されている。

今や全国区の人気を誇る讃岐うどんだけに、香川県には800を超えるうどん店があるともいわれているが、うどんタクシーでも、山のうどん店、昔ながらのおばあちゃんの店、田舎風釜揚げうどんの店、元祖しょうゆうどんの店、コシが勝負のぶっかけうどんの店、こだわり麺のざるうどんの店など、さまざまなバリーエーションの店を回る。

「うどんのことはドライバーに聞け!」のキャッチフレーズを掲げるうどんタクシーのドライバーになるためには、3つの試験をクリアしなければならない。「○×うどん店の特徴を述べよ」「ぶっかけうどんの説明をせよ」「うどんについて唐の都・長安と香川県の共通点・類似点は?」といった設問の筆記試験に続いて、実際に試験官がタクシーに同乗し乗客とのコミュニケーション能力や質問への回答能力などを見極める実地試験、そして最後にはドライバー自らが行う「さぬきうどんの手打ち」試験が控える。この3つをパスして初めて、うどんタクシーの目印となる「うどんの行灯」が授与される。「うどんを食べるだけでなく、うどんの知識もお土産として持ち帰っていただく」というコトバスタクシーのポリシーは、この3つの試験によって裏打ちされたものである。

楠木代表は、「大げさに言えば、遊園地でジェットコースターやメリーゴーランドに乗る時と同じようなワクワク感、ドキドキ感を味わってもらうための工夫」と説明。「ディズニーランドのカボチャの馬車があるように。“さぬきうどんワールド”にはうどんタクシーがある、という認知を定着させたい」と語っている。

うどんタクシー

- 2012年10月 週刊トラベルジャーナル「成功する観光タクシー」より -

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